ロボット掃除機はここ数年で一気に進化しましたが、「吸引力」「水拭き性能」「メンテナンス性」の3拍子がそろったモデルは意外と少ないのが現状です。
SwitchBot(スイッチボット)の 「ロボット掃除機 S20」 は、そうした課題を解決するために設計された全自動モデル。モップを自動で洗浄しながら水拭きでき、清掃中も常に清潔なモップで床を拭き上げてくれます。
筆者はこれまでに S1 Plus、K11+、S10 などSwitchBotのロボット掃除機をほぼすべてレビューしてきましたが、S20は吸引力・静音性・手入れのしやすさのすべてで進化を感じました。
手入れ不要で床を清潔に保てる“全自動ロボット掃除機”を探している人にとって、S20は注目の1台です。
本記事では、SwitchBot ロボット掃除機 S20のレビュー として、本モデルの特徴・S10との違い・実際の使用感を詳しく紹介します。

- 清掃と水拭きを同時にできる
- モップの洗浄・乾燥が自動
- モップを洗浄しながら水拭きしてくれる
- ゴミ捨ては年4回
- バッテリー持ちが良い
- 障害物回避が優秀
- 本体サイズがやや大きい
- ステーションのタンクは、水交換が必要
※提供: SwitchBot
レビュー用に製品の提供を受けていますが、筆者が感じたままのレビューです。

SwitchBot ロボット掃除機 S20の特徴をレビュー
SwitchBot ロボット掃除機 S20の主な特徴をまとめてみました。
- 水拭きとモップの洗浄を同時に進行
- 最大10,000Paの吸引力
- 髪の毛が絡まりにくい設計のメインブラシ
- AIカメラによる高度な障害物回避
- 毎日のメンテナンスが全自動
- ゴミ捨ては年4回程度
- カーペット検知機能と畳モード
吸引力は前モデルの 6,500Paから10,000Paへと大幅アップ。強い吸引力でカーペットの奥に入り込んだホコリや髪の毛までしっかり吸い取ってくれます。
セット内容
製品の本体と付属品を並べてみました。

- ロボット掃除機の本体
- ステーション
- サイドブラシ
- 紙パック
- 防水シート
- 珪藻土マット
- お手入れブラシ
- 取扱説明書
すぐに使いはじめられるセット内容ですが、ブラシや紙パックなどの消耗品のストックが付属していない点には注意が必要です。
ロボット掃除機の本体とステーションのデザイン
本体は直径36.5cm x 高さ11.5cmで、一般的なロボット掃除機よりやや大きめ。

新しくなったメインブラシは、髪の毛やペットの毛が絡まりにくい設計で、日常的な手入れの負担を大きく軽減してくれます。

S20はロボット掃除機の中でも水拭き性能が高いモデルで、常に清潔なモップで床を拭き上げてくれます。
水拭き用のローラーモップには、SwitchBot独自の「RinseSync™テクノロジー」を搭載し、水拭きとモップの洗浄を同時に行います。

手を汚さず側面からモップを取り出せる仕様も助かります。


上面のカバーを外すと、電源スイッチやダストボックス、ブラシが収納されてます。

ゴミ収集・モップの洗浄と乾燥・水の交換を担ってくれるMultiClean Stationは、幅38cm x 奥行き 22.3cm x 高さ46cmです。

ステーションのジョイントには、ゴミ収集口と水交換用のチューブがついています。綺麗な水とモップを洗浄した汚い水が別々のホースで交換されるので、もちろん両者が混ざることはありません。

ステーションの上部には、清水タンクと汚水タンクが収納されています。

ステーション中央のカバーを開くと、ゴミが集まる紙パックが収納されています。


前モデル S10 との違いは?
SwitchBotのロボット掃除機には、メンテナンスの手間を最大限に抑えたS20・S10、本体が小型なKシリーズ、コスパに優れたS1・S1 Plusがラインナップしています。
今回レビューしているS20は、S10の後継モデルにあたるので、両者の比較を表にまとめてみました。
S20 | S10 | |
---|---|---|
イメージ | ![]() | ![]() |
サイズ | 36.5 x 11.5cm | 36.5 x 11.5cm |
モップ | ローラーモップ | ローラーモップ |
ゴミ収集ステーション | ◎ | ◎ |
静音性 | 60dB | 64dB |
最大吸引力 | 10,000Pa | 6,500Pa |
自動給水・排水 | ◎ | ◎ |
モップ洗浄・乾燥 | ◎ | ◎ |
水交換 | ステーション ※水交換ステーション(別売) | ※水交換ステーション 外付けタンク(別売) |
障害物回避 | dTofレーザー PSDセンサー AIカメラ | dTofレーザー PSDセンサー AIカメラ |
稼働時間 | 250分間 | 250分間 |
床面積 | 2〜3LDK/220m2 | 3〜5LDK/220m2 |
定価 | ¥ 91,800 | ¥ 119,800 |
S10との主な違いは、水タンクがステーション一体型になったことと、吸引力が6,500Paから10,000Paに向上した点。
これにより、別売の水交換ステーションや外付け水タンクを設置する必要がなくなり、省スペース性が大きく改善しました。

「全自動ロボット掃除機の完成形」と言えるモデル!
SwitchBot ロボット掃除機 S20の初期設定とマッピング
SwitchBot製品は、今回レビューしているロボット掃除機に限らず、全て専用のアプリで管理されます。
そこで、ロボット掃除機 S20をアプリで初期設定する流れを要点を絞って解説していきます。
まずはロボット掃除機の本体とステーションを適切な場所に設置し、ステーションの電源ケーブルをコンセントに接続します。


ロボット掃除機を設置できたら、本体とアプリをペアリングしていきます。
SwitchBotアプリのホーム画面を開いて、デバイスの追加
→お掃除ロボット S20
へと進みます。




するとロボット掃除機の電源を入れるように求められます。


続いて充電ボタンとモード切替ボタンを同時に押して、ペアリングモードにします。


Wi-Fiに接続した後で、ファームウェアを最新版に更新します。




アップデートへ
を選んで、ファームウェアを更新します。


アップデートが完了すれば、アプリとのペアリングは完了です。ホーム画面に戻ると、製品一覧にS20が追加されています。


ペアリングが終わったら、ロボット掃除機を使うフロアをマッピングしていきます。


アプリの指示通り、床を片付けてドアを開けて、マッピング
をタップします。


するとロボット掃除機が動き出し、フロア全体を走行しながらマップを作成します。


フロアの広さによって変わりますが、マッピングは5分から10分程度で完了します。







部屋を指定して掃除ができるよ!
このままでも掃除を始められますが、完成したマップを修正しておくと、より便利に使い始められます。
ロボット掃除機 S20のページから→歯車マーク
→マップ管理
へと進み、マップを修正します。


必要に応じて、ロボット掃除機に入って欲しくないエリアや水拭きしてほしくないエリアを設定します。




- ロボット掃除機が進入しないエリアの設定
- 水拭き禁止エリアの設定
- 部屋の分割や統合、区切りの変更
- 部屋に名前をつける
- マップの向きの変更



カーペットや畳は設定しなくても水拭きしません!
SwitchBot ロボット掃除機 S20を実際に使ってみた印象
ここからは、実際にロボット掃除機 S20を数週間使ってきた印象を紹介していきます。
- 日々のメンテナンスがいらない!
- バッテリーが長持ちする
- 清掃と水拭きを同時に実施できる
- 暗所でもAIカメラとライトで障害物を認識
- 水拭き性能が高い
上記の5点を中心にレビューしていきます。
日々のメンテナンスがいらない
SwitchBot ロボット掃除機 S20は、以下のようなお手入れを全自動で行ってくれます。
- 水拭きモップの洗浄
- 水拭きモップの乾燥
- ロボット掃除機への給水
- ゴミ捨て(3ヶ月ごとに紙パックを交換)
特に一般的なロボット掃除機による水拭きは、手入れが面倒になりがちです。水拭きに対するメンテナンスがいらないところは、本製品の大きな魅力だと感じています。
フロア全体を掃除できるバッテリー持ち


4000mAhのバッテリーが搭載されていて、途中で充電することなくフロア全体を清掃できました。
一方で、今まで使っていた小型モデルの K11+では、フロア全体を清掃・水拭きする際、途中で充電を挟む必要がありました。部屋の広さに合わせて、ロボット掃除機のモデルを選ぶことが大切だと思います。
清掃と水拭きを同時に実施できる
ロボット掃除機の中には、清掃モードと水拭きモードを併用できないモデルもあります。その点、今回レビューしているS20は、両モードを同時に進行できます。
- 清掃と水拭きを同時に進行
- 清掃後に水拭きを実施
- 清掃のみ
- 部屋ごとにカスタマイズ
吸引力は4段階、水拭きの水量は2段階から設定できます。


このように清掃パターンが豊富なので、自宅の環境にあったモードを選ぶことができて重宝しています。
暗い場所でも「AIカメラ x ライト」で障害物を回避
S20にはAIカメラが搭載されていて、障害物をスムーズに回避してくれます。
使っていて従来の赤外線センサーよりも精度が高く、家具にぶつかる頻度が明らかに少ないです。
暗所ではAIカメラが自動でライトを点灯し、家具や壁との距離を正確に検知します。


スリッパやケーブルなどの小物も的確に避けるため、夜間でも安心して稼働させられます。
水拭き性能が高い
SwitchBot ロボット掃除機 S20 は、独自の RinseSync™ テクノロジー によって、モップを洗浄しながら同時に水拭きする仕組みを採用しています。
この仕組み自体は前モデルの S10 と同様ですが、吸引力が強化されたことで、髪の毛の上から水拭きしてしまうことが減り、より安定した拭き上がりを実感できました。
清掃中もモップが常に清潔な状態で保たれるため、汚れを広げたり雑菌を残したりする心配がなく、衛生的に使えるロボット掃除機としても安心感があります。
子供が食事をこぼした後でも、S20を動作させるだけでフローリングのベタつきが減り、掃除後は足裏でサラッとした感触を感じられるのも好印象でした。
SwitchBot ロボット掃除機 S20の気になる点
ロボット掃除機 S20には、概ね満足していますが、使っていて気になる点もあったので共有しておきます。
小型モデルより掃除のデッドスペースが生まれる
S20は、一般的なロボット掃除機よりやや大きめのサイズ感です。
SwitchBotが“世界最小”を謳うティッシュ箱サイズの K11+ と比べると、S20 の方がひとまわり以上大きいことがわかります。


小型サイズと比べると、どうしても入れない部分がでてきます。








我が家では、手入れ不要で水拭きできる魅力に惹かれ、掃除のデッドスペースが生じるのを承知でS20を使っています。
家具が多いご家庭では、直径36.5cm x 高さ11.5cmの本体が入れるかをイメージしておきましょう。
水タンクは、定期的な手入れが必要
ステーション内にある清水タンク・汚水タンクは、定期的な水の入れ替えが必要です。
特に汚水タンクのモップを洗浄した汚い水は、臭いの原因にもなるので、定期的に捨てるようにしましょう。


別売りの水交換ステーションを購入すれば、洗濯機の排水溝を活用して水の補充と汚水の排出も自動で行えます。


加湿器への給水機能は、実用的ではない
SwitchBot 加湿器 Plusと連携させれば、加湿器の水量低下を検知したロボット掃除機 S20 が、自動で給水してくれます。


この機能自体は革命的ですが、ロボット掃除機に入る水量にも限界が……..。
加湿器の水を満タンにしようとすると、ロボット掃除機が加湿器とステーションを何往復もすることになります。
加湿器への自動給水機能はユニークですが、1回あたりの給水量が少ないため実用性は限定的です。あくまでスマートホーム連携を体験するための補助機能として捉えるのがおすすめです。



僕も加湿器に直接給水しています
SwitchBot ロボット掃除機 S20は、こんな人におすすめ
実際にロボット掃除機 S20をしばらく使ってきて、以下のような方におすすめだと思いました。
- 清掃と水拭きを同時に行いたい人
- 常に綺麗なモップで水拭きしてほしい人
- モップやゴミの手入れを最低限にしたい人
- 本体が入れないデッドスペースを許容できる人
- 持ち家や広めの賃貸住宅に住んでいる人
- 子育て家庭で掃除を時短したい人
本体サイズがやや大きめなので、小型なロボット掃除機と比べると、どうしてもデッドスペースが生まれてしまうのがデメリットだと感じています。
それでも水拭きの準備(モップの設置など)が不要で、モップの手入れが最小限で済むのは、本モデルを選ぶ理由になり得るでしょう。
一方で、コスパを重視したい人はS1 Plus、小型モデルがいい人は、前述したK11+がおすすめだと思います。
総評:メンテナンスの手間が最小限!ストレスフリーのロボット掃除機
この記事では、SwitchBotの「ロボット掃除機 S20」をレビューしてきました。S20では、手入れ不要のS10が吸引力や使い勝手の面でさらに進化し、「全自動ロボット掃除機の完成形」と呼べる1台になりました。
- 清掃と水拭きを同時にできる
- モップの洗浄・乾燥が自動
- 清掃中にリアルタイムでモップを洗浄
- ゴミ捨て頻度は1回/90日間
- AIカメラによる障害物回避が優秀
- 本体がやや大きく、掃除のデッドスペースが生まれる
- ステーション内のタンクは、水交換が必要
吸引力とブラシ構造のバランスが良く、ペットの毛や髪の毛にも絡まりにくい設計で、日々の掃除を自動化したい人にぴったりのロボット掃除機です。
小さな子供がいる我が家では、清掃と同時に水拭きしてくれるところが特に気に入っています。水拭きの度にモップの取り付けや洗浄をしなくて良いところも助かってますね。
忙しい家庭や子育て世帯でも掃除の時短につながり、ボタンひとつで家中を清潔に保てる“暮らしが整う家電”としても魅力的です。
最後まで読み進めていただき、ありがとうございました。


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