デスクワーカーとしてキーボードの打鍵感に拘りがある方も多いでしょう。筆者はそのような方達とは正反対で、キーボードへの拘りが全くありません。
そんな筆者が最近SNSで話題の高級キーボード「Lofree Flow」を試す機会を得たので、忖度なしに本音レビューしていきたいと思います。すでにGREEN FUNDINGでの先行販売では、840万円を超える売り上げを記録し、とても注目度が高い製品です。
Lofreeのブランド名の由来は、「Love+Free」。人々の生活空間である2m2を豊かにするためのプロダクトを展開するライフスタイルブランドです。
本稿でレビューするキーボード「Flow」は、Lofreeにとって日本上陸品でもあり、僕のようなクリエイターが製品を試す機会をもらったわけです。すでにGREEN FUNDINGで実施した日本での先行販売では、840万円を超える売り上げを記録。これから
そこで最初に『Lofree Flow』の特徴をまとめてみました。
- 高品質なPBTキーキャップ
- ロープロファイルのメカニカルキーボード
- 極上の打鍵感
- 有線と無線を切り替えられる
- シンプルなデザイン
- 英語配列のみ
打鍵感が優れている通常プロファイルのメカニカルキーボードは、ストロークが深く、指への負担が大きくなります。
一方、キーの背が低いロープロファイルでは、ストロークが浅くてタイピングの反応が良い。しかし通常プロファイルの打鍵感に敵わないことが多く、製品を試す前までは「ロープロファイルかつ極上の打鍵感」というコンセプトに疑問を抱いていました。
しかし実際に試してみると、ロープロファイルなのに本格的な打鍵感を楽しむことができ、キーボード好きがハマる理由が分かる気がしました。
通常プロファイルのメカニカルキーボードを使っている人こそ、ぜひLofree Flowを試してほしい。
- 優れた打鍵感と快適なタイピング音
- バッテリー持ちが良い
- 性能と使い心地のバランスが良い
- 筆者には合わなかった
- 日本語配列がない
※提供:Lofree
Lofree Flowが優れたキーボードであることに疑いはありませんが、残念ながら僕個人には使いこなせませんでした。
良いところや使いこなせなかった要因等をふまえて、「Lofree Flow」のレビュー記事を執筆していきます。
Lofree Flowの開封レビュー
まずは『Lofree Flow』の仕様や特徴に焦点をあてた開封レビューを執筆していきます。本体を薄く保ちつつ、打鍵感も重視しているハイブリッドなキーボードで、ハマる人も多そうな仕上がりになっています。
製品の使用感が知りたい方は、「Lofree Flowの使用レビュー」をご参照ください。
同梱品と本体デザイン
こちらがLofree Flowのパッケージ内容。キーボード本体に加えて、充電ケーブル、保証証や取扱説明書が同梱されていました。
充電ケーブルはUSB-A to Cケーブルが採用されています。やはりUSB-Aは、まだまだ一般的な端子なんでしょうね。この手のキーボードを使うユーザーなら、USB-C to Cケーブルのほうが嬉しいと思うんだけどな………..。
『Lofree Flow』はBLACKとWHITEの2色展開。普段使っているAppleのMagic Keyboardとは違う色が欲しかったので、BLACKを選んでみました。
背面にはアルミニウム合金が用いられ、リッチなデザインに仕上がっています。
接続方式をBluetooth/有線に切り替えるスイッチと充電用のUSB-Cポートを搭載しています。
本体の右側面にはゴールドの金具がついており、メーカーロゴが刻印されています。
底面にRGBサイドライトが搭載されていて、8色から好きな色味を選べます(消灯も可)。
パーツごとにみても、それぞれが洗練された作りやデザインをしていて、丁寧に設計されているのがよく分かります。キーボードに詳しくない方でも、高級感を抱くほどの製品だと思います。
サイズと重さ
Lofree Flowのサイズは、横幅 316mm × 奥行き 126mm。優れた打鍵感で有名なHHKB(W 294 × D 110mm)やAppleのMagic Keyboard(W 279 × D 115mm)、ロジクール MX KEYS mini KX700PG(W 296 × D 132mm)比べると、ひと回り大きな仕様です。
キーボードの厚さは10mmで、打鍵感を重視するHHKB(40mm)よりはるかに薄いです。AppleのMagic Keyboardの最も厚みがある部分が10.9mmであり、非常に薄い仕上がりです。
重さの実測値は605gでした。公式値の568gとは、誤差と言えない差がある気がするなー。しかし打鍵感重視のキーボードは、700〜800gほどのモデルも多い。なので『Lofree Flow』は、持ち運びやすいキーボードと言えるでしょう。
僕はキーボードに関してお花畑な人なので、どんなに良いキーボードでも持ち運ぶには至らなそう。
ガジェットブロガーなのに、ノートパソコンのキーボードに満足しちゃってるんですよね…………。
詳しい仕様はこちら
カラー | BLACK | WHITE |
キースイッチ | PHANTOM (茶軸) | GHOST (赤軸) |
ストローク | 2.8±0.25mm | 2.8±0.25mm |
作動点 | 1.6±0.3mm | 1.2±0.3mm |
押下圧 | 45±15gf | 50±15gf |
キーピッチ | 19mm | |
サイズ | W 316 × D 126 × H10~24.5 | |
重量 | 568g | |
傾斜角 | 3.9度 | |
キー数 | 84 | |
バッテリー容量 | 2,000mAh | |
稼働時間 | 最大40時間 | |
充電時間 | 約3時間 | |
操作距離 | 約10m | |
耐久性 | 5,000万回 | |
接続方式 | 有線 / Bluetooth 5.0 | |
素材 | 本体:アルミニウム合金 キーキャップ:PBT |
Lofree Flowの使用レビュー
実際に僕が『Lofree Flow』を1ヶ月ほど使ってみた印象をまとめました。
- ロープロファイルでも優れた打鍵感とタイピング音
- バッテリー持ちは良好
- 慣れるまで時間を要する
確かにキーボードとしての完成度は、めちゃくちゃ高い。しかし残念ながら僕には使いこなすことができなかったんですよね……。この辺も合わせて、使用感を詳しく紹介していこうと思います。
ロープロファイルでも優れた打鍵感とタイピング音
今まで触ってきたロープロファイルキーボードの打鍵感は、ノートパソコンの打鍵感をすこし良くしたイメージでした。『Lofree Flow』の打鍵感は、僕が手元に置いてきたキーボードとはまるで別物。
メカニカルキーボードの独特な打鍵感を良い意味で和らげた印象ですね。ロープロファイルの仕様も効いていて、通常プロファイルのメカニカルキーボードと比べても、さらさらとタイピングできます。
「パチパチ」という高いタイピング音がするノートパソコンは、キーを”打つ”というより”叩く”感覚に近い。一方、Lofree Flowをタイピングしていると、「カタカタ」という低いタイピング音が響きます。キーを叩いている感覚はなく、しっかりと”打つ”感覚を味わえます。
実際にタイピングしている様子を撮影したので、ご覧ください。
静音性はありませんが、不快感がない上品なタイピング音で、作業にリズムがついてくるんですよ。確かにクセになってSNSで話題になるのも分かります。
バッテリー持ちは良好
Lofree Flowは2,000mAhのバッテリーを搭載し、最大40時間の連続使用に耐えられます。驚くほどバッテリーが優れているわけではありませんが、1〜2週間はもったので合格ラインでしょう。
充電ポートは最も嬉しいUSB-Cで、たった3時間でフル充電が可能。有線モードでは、PCから本体を充電しつつ使用できます。
欲を言えば、もうすこしバッテリー持ちが伸びたら嬉しいけど、短時間かつUSB-Cでの充電なので、そこまで苦になりません。
バッテリー周りには非の打ち所がないといえます。
慣れるまで時間を要した
「使いこなすことができなかった」のほうが正しい表現かも。
まず大前提として、僕はパンタグラフ式であるMagic Keyboardユーザー。キーピッチはどちらも19mmで標準的です。実際にMagic KeyboardとLofree Flowを比べてみると、前者はペラペラしていて、タイピングすると「パチパチ」や「ペチペチ」と音がします。
しかし自分でも不思議なことに、リッチな打鍵感のLofree FlowじゃなくてMagic Keyboardを好んでいます。理由を考えてみたところ、以下の3つに辿り着きました。
- Lofree Flowのタイピング音がうるさいと言われた
- Lofree Flowを使って、タイプミスが増えた
- Magic Keyboardのほうが疲れにくい
タイピング音がうるさいと言われた
夫婦が横並びで作業できるワークスペースでLofree Flowを使っていると、隣で作業している妻から「ちょっとうるさいね」と言われます。
打ってる本人には快適なタイピング音ですが、周りの人への影響を考えると使いにくいかもしれません。Lofree FlowにはBLACKとWHITEの2種類があって、それぞれ性能が異なります。静音性に優れたモデルはWHITEなので、用途に応じたモデルを選ぶことで解決できそうです。
Lofree Flowを使って、タイプミスが増えた
キーの背が低いMagic Keyboardなら、キーの上で指を滑らせるようにタイピングできるんですよね。ホームポジションが崩れにくいので、スルスルとタイピングができて、ミスが減ります。
Lofree Flowではキーの背が高いので、指を上げてタイピングしなければいけません。
キーの背がもっと高いHHKBよりは扱いやすい気がしますが、それでも意識して指を上げることで、ホームポジションが崩れてしまい、タイプミスが増えました。
HHKBユーザーの乗り換え先としては良いかも!
Magic Keyboardのほうが疲れにくい
Lofree Flowでは、Magic Keyboardよりキーが高くストロークが深いため、指の上下移動が大きくなります。タイプミスを防ぐため意識的に指を上げる必要もあり、結果的に指の不要な動きが増え、疲れやすくなったと思われます。
一方キーが低くストロークが浅いMagic Keyboardは、指がほとんど沈みません。タイピングに必要な指の動きは最低限で、最低限の指の動きでタイピングができます。Magic Keyboardは打鍵感こそ安っぽいですが、タイプミスが少なく疲れにくいので、快適にタイピングできるんですよね。
Lofree Flowはキーが程よく浅いので、性能と使い心地のバランスが良いキーボードだと思います。Magic Keyboardを5年以上つかう僕には合わなかっただけで、性能と使い心地を追い求める方には良い選択肢になるでしょう。
通常プロファイルよりは疲れにくいよ!
まとめ:快適なロープロファイルのメカニカルキーボード
本稿では日本に初上陸したライフスタイルブランド「Lofree」のメカニカルキーボード『Flow』をレビューしてきました。記事の最後に本製品の特徴を振り返ってみましょう。
- 優れた打鍵感
- 快適なタイピング音
- 性能と使い心地のバランスが良い
- バッテリー持ちが良い
- 筆者には使いこなせなかった
- 日本語配列がない
Magic Keyboardのようなペラペラのキーボードが好きな僕には、残念ながら本製品を使いこなせませんでした。しかしとてもバランスがとれた製品で、キーボード好きがハマるのも頷けます。
日本メーカーではなく、試し打ちできない点は残念ですが、タイピングの快適性とキーボードの打鍵感を高いレベルで両立してくれるので、キーボードにこだわりたい方にオススメの製品だと思います。