MagSafe対応モバイルバッテリーは、MagSafeアクセサリーのなかでも人気の周辺機器のひとつ。最近では有線ケーブルで充電するモバイルバッテリーより一般的になりつつあります。
従来のMagSafe対応モバイルバッテリーは、iPhoneに固定しながらワイヤレス充電できるのが魅力でしたが、モバイルバッテリー本体を充電するには有線ケーブルが必要でした。
京都発の日本メーカー「MATECH」は、世界で初めて本体をワイヤレス充電できるモバイルバッテリー「MagOn Air 5000」を発売しました。実機を入手したので、製品の特徴や使用感をふまえて本記事で徹底的にレビューしてきます。
- 高級感あるレザー素材
- 世界で初めて本体のワイヤレス充電に対応
- iPhoneとAirPods Proの同時にワイヤレス充電
- ちょうどいいバッテリー容量
- ボタンを押さずに充電スタート
- Qi2非対応
- MagSafeh充電器では本体を充電できない
- ワイヤレス充電中にバッテリー残量を確認できない
提供: MATECH
レビュー用にメーカーより製品提供を受けています。記事の内容への指定はなく、筆者が感じたままのレビューです。
MATECH MagOn Air 5000の特徴
実機レビューの前に、本製品の特徴をまとめました。
- 本体をワイヤレス充電できる (世界初)
- 2台同時にワイヤレス充電できる
- ボタンを押さずに充電
- 高級感あるレザー素材
- 最大20W出力のUSB-Cポート
- Qi2に非対応
MagOn Air 5000の目玉機能は、”モバイルバッテリー本体のワイヤレス充電“と”両面から2台同時のワイヤレス充電“のふたつ。目玉機能のほかにも、MagSafeでiPhoneの背面に固定するだけで充電が開始される「Wake up」は地味に重宝します。
充電速度を重視したいシーンでは、USB-Cポートからの有線充電が便利です。他のモバイルバッテリーにはない唯一無二の高級感も大きな魅力です。
QiとQi2の違いは?
ワイヤレス充電の規格は、「Qi」と「Qi2」の2つが存在します。
Qi | Qi2 | |
---|---|---|
読み方 | チー | チーツー |
世代 | 前世代 | 新世代 2024年1月~ |
出力 | 5〜15W | 15W |
iPhoneへの出力 | 最大7.5W | 最大15W |
マグネット固定 | 非対応 | 対応 |
新世代のQi2では、iPhoneへの15W出力が可能となり、Appleの協力によってMagSafeのようなマグネット固定にも対応しました。今回レビューするMagOn Air 5000は、MagSafe対応ですが規格はQiなので、iPhoneへの最大出力は7.5Wとなります。
MATECH MagOn Air 5000の仕様やデザイン
筆者が入手したMagOn Air 5000を開封して、仕様やデザインをチェックしていきます。
パッケージ内容
- MagOn Air 5000
- USB Type-Cケーブル
- 製品保証のご案内
- 取扱説明書 (QRコード)
- Thank youカード
充電用のUSB Type-Cケーブルは、MATECHの別モデルのモバイルバッテリー (MagOn Mini 5000、MagOn 10000) より高級感がアップしています。
取扱説明書の同梱はなく、QRコードを読み取ってWebで確認する形式です。QRコードはシールになっているので、製品に貼り付けておけば外出先からでも確認できます。
デザイン
MagOn Air 5000には、モバイルバッテリーとしては珍しいレザー素材が採用されています。高級感が滲み出ていて、持ち運びたくなるデザインです。
MATECHの別モデルのモバイルバッテリーと並べてみると、本製品の高級感が際立ちます。
中央のメーカー名の下部には、AirPods Proのようなワイヤレスイヤホンのマークがあり、OUT 3.5W
、IN 20W
と刻印されています。ボタンを押すと、バッテリー残量に応じてランプが点灯します。
バッテリー残量ランプの仕様
フル充電されても全てのランプが点灯しないのは注意が必要です。
iPhoneに装着する面にはマグネットマークが示されていて、安全性を示すPSEマークも確認できます。
写真ギャラリー
サイズ感と重さ
- 高さ: 109.5 mm
- 幅: 67.1 mm
- 厚さ: 12.2 mm
MagOn Air 5000をiPhone 15 Proに装着してみました。
横から見た様子がこちら。スリムなMagOn Mini 5000より厚みがあるので、サイズ感より性能やデザイン重視のモバイルバッテリーになっています。
わずかにiPhoneの下部からはみ出ています。でもUSB-Cポートの部分が凹んでいて、ちょうど小指が落ち着くので使用感はそこまで悪くないですね。
下から見るとこんな感じ。モバイルバッテリーの横幅は、iPhone 15 Proの横幅とほぼ同じぐらいですね。
本体の重さは、実測値で133gでした。スペック表でも133gと記載されていたので、誤差なしでした。
ちなみに実測117gのMagOn Mini 5000と持ち比べてみたところ、持って分かるレベルの重さの違いを感じました。
軽さとサイズはMagOn Mini 5000、性能とデザイン性はMagOn Air 5000ですね!
MATECH MagOn Air 5000の使用感
実際に筆者がMagOn Air 5000を1ヶ月ほど使って感じた印象をまとめました。
- iPhoneとAirPods Proの同時充電が便利
- 本体をワイヤレス充電できるのは助かる
- ワイヤレスでパススルー充電できる
- MagSafe充電器には非対応 (→デメリット)
- 充電中にバッテリー残量が見えない (→デメリット)
- 充電速度が遅い (→困らなかった)
- 持ち運びたいデザイン
- ちょうどいいバッテリー容量
上記の5点を中心に、本製品の使用感を詳しくレビューしていきます。
iPhoneとAirPods Proの同時充電が便利
モバイルバッテリーの上にAirPods Proを乗せれば、iPhoneと同時にワイヤレスで充電できます。1ヶ月の使用期間で実際にiPhoneとAirPods Proを同時に充電したのは2〜3回ですが、選択肢が増えるのが良いなと感じました。
ただiPhoneとAirPods Proを同時に充電する頻度は少なくても、AirPods Proを単独で充電する機会はそれなりにありました。筆者のAirPods ProはLightningケーブルなので、持ち運ぶケーブルを減らせるのも大きなメリットだと思いました。
AirPods Proの充電忘れが多いので助かってます!
モバイルバッテリー本体をワイヤレス充電できる
今までのモバイルバッテリーは、ワイヤレスでの出力に対応しているものの、本体のワイヤレス充電に対応しているモデルはありませんでした。前述した通り、MagOn Air 5000は世界で初めて本体のワイヤレス充電に対応しました。
本体のワイヤレス充電に対応したことで、MagOn Air 5000は完全にケーブルフリーで運用できるようになりました。ワイヤレス充電による”電力ロス”はありそうですが、個人的にはケーブルレスの恩恵のほうが大きくて重宝しています。
ワイヤレスでのパススルー充電が可能
下からワイヤレス充電器→MagOn Air 5000→スマートフォンの順番でおけば、モバイルバッテリーとスマートフォンを同時に充電 (パススルー充電) できます。
普段からパススルー充電を活用すれば、モバイルバッテリーがフル充電された状態を維持できます。モバイルバッテリーの充電忘れがなくなり、急な外出にも対応できるので重宝する方も多いでしょう。
MagSafe充電器には非対応 (デメリット)
モバイルバッテリー本体をワイヤレス充電できるのは嬉しいですが、対応規格はQiまたはQi2でMagSafe充電器には非対応です。例えば、筆者がワークスペースで使っているBelkinの3-in-1ワイヤレス充電パッドのMagSafe充電スペース(最も左)では、充電できませんでした。
特にマグネットで固定できないQi充電器では、充電位置の”当たり判定”が問題になってきます。
「MagOn Air 5000を置いた位置がズレてて、気づいたら充電されてなかった。」
なんてことになりかねないので、注意が必要です。
もちろんワイヤレス充電が合わなければ、従来通りUSB-Cケーブルでも充電できるので心配はいらないでしょう。モバイルバッテリーをワイヤレス充電できること自体がとても革新的なのですが、欲をいうと次回作ではMagSafe充電に対応することを期待したいです。
充電中にバッテリー残量がみえない (デメリット)
本体をワイヤレス充電するとき、バッテリー残量ランプの面が充電器との接地面になります。それゆえに充電中にバッテリー残量ランプが視認できません。バッテリー残量を確認するには、本体の充電を中断して手に取ることになります。
仕様上はしょうがないことなのでしょうが、使いづらさが残りますね。
充電速度が遅い (→困らなかった)
MagOn Air 5000は、iPhoneを15Wでワイヤレス充電するための “Qi2” に対応していません。ワイヤレスでiPhoneを充電するときの最大出力は7.5Wなので、とても高速充電とはいえません。
でも筆者にとってモバイルバッテリーの役目は、バッテリー切れを阻止すること。
高速充電できなくても、iPhoneのバッテリーを延長できればOKなんですよね。
そもそも15Wのワイヤレス充電に対応していても、USB-Cポートからの有線充電のほうが20Wで高速ですし………。
実際に使っていても、ワイヤレス充電のスピードに不満を感じることはありませんでした。
持ち運びたくなるデザイン性
冒頭でも触れましたが、やっぱりデザインが良いだけで持ち運んで使いたくなるんですよね。Qi2に対応してなかったり、MagOn Mini 5000より重くて大きかったりとデメリットはありますが、それでもデザインの良さに惹かれている自分もいるんですよねー。
やっぱりワクワク感って大事だよね!
ちょうどいいバッテリー容量
MagOn Air 5000のバッテリー容量は、スマホを約1回フル充電できる5000mAhです。個人的にはモバイルバッテリーでスマホをフル充電する状況があまりないので、5000mAhあれば十分事足りてます。
スマホ2台持ちの方やモバイルバッテリーを家族で共有したい方は、スマホを約2回フル充電できるMagOn 10000もオススメです。
MagOn Air 5000 レビューのまとめ
本記事ではワイヤレス充電できるモバイルバッテリー「MATECH MagOn Air 5000」をレビューしてきました。記事の最後に本製品の特徴や使用感を振り返っておきます。
- 高級感あるレザー素材
- 世界で初めて本体のワイヤレス充電に対応
- iPhoneとAirPods Proの同時にワイヤレス充電
- ちょうどいいバッテリー容量
- ボタンを押さずに充電スタート
- Qi2非対応
- MagSafeh充電器では本体を充電できない
- ワイヤレス充電中にバッテリー残量を確認できない
本体をワイヤレス充電できるところやレザー素材による高級感は、MagOn Air 5000の唯一無二の魅力でしょう。実際に使ってみた印象も良く、MagSafe充電器でのワイヤレス充電に対応していれば文句なしでした。この点は次回作に期待したいですね。
MagSafeアクセサリーの中でもモバイルバッテリーは重宝するアイテムだと思うので、本製品に限らずひとつ持っておくと便利だと思います。
最後まで読んで意いただき、ありがとうございました。
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