世界大手のIT機器メーカーのTP-Linkは、サブブランド「Tapo」でスマートホーム製品を展開しています。TP-Linkは、Wi-Fiルーターで地位を築いてきたメーカーで、スマートホームの実力は未だ知れ渡っていないのが現状でしょう。
そこでTapoの実力を知るべく、スマートホームの基盤となるIoTデバイス7製品について、紹介・レビューしていきます。
製品 | 特徴 |
---|---|
Tapo H100 | チャイム機能付きスマートハブ Tapoを使うなら必須 |
Tapo T100 | スマートモーションセンサー |
Tapo T110 | スマート接触センサー |
Tapo T310 | スマート温湿度計 |
Tapo T315 | スマートデジタル温湿度計 |
Tapo S200B | スマートボタン&調光器 |
Tapo S200D | スマートボタン&調光器+プレート |
メーカーよりレビュー用サンプルの提供を受けていますが、記事内容への指定がない自由レビューです。
- 使いやすいアプリ
- セットアップが簡単
- 各デバイスは優秀
- ラインナップが少ない
- やれることが少なく、汎用性も低い
- 製品名が分かりにくい
- SwitchBotから乗り換えるには値しない
チャイム機能付きスマートハブ:Tapo H100
Tapoシリーズのスマートハブ「Tapo H100」は、スマートセンサーやスイッチなどのデバイスと接続して、TapoデバイスのON/OFF、作成したショートカットなどを自動で実行します。
Tapoのスマートホームでは、「Tapo H100」が不可欠です。
Tapo H100の特徴や活用方法
Tapo H100の最大の特徴は、他のTapoデバイスを動かすための「ハブ」として機能するところ。ハブ以外にも、アラームを鳴らすこともでき、どんな使い方をするかはユーザーによって大きく分かれそうです。
- 接続範囲が広く、最大64台と連携
- 連携デバイスとの接続が安定
- 省電力化
- 連携デバイスに省電力プロトコルが適応され、バッテリー持ちが最大10倍!
- スマートアラーム
- ドアが開いたり、人影を感知したりしてアラームを鳴らす
- スマートドアホン
- スマートボタンと連携し、ドアホンを構築。
- Tapoデバイスの起動、ショートカットの実行を自動化
- センサー系のデバイスと連携
家中に配置したセンサー系のデバイスを管理するのが主で、センサー系のデバイスはTapo H100なしでは使えません。
Tapo H100の仕様や外観
早速、Tapo H100の外観をチェックしていきます。
リビングのコンセントに挿してみました。アプリでのセットアップが完了すると、ランプが青く光ります。
コンセント直差しは嬉しい仕様!スマートリモコンがないのは残念。
スマートモーションセンサー:Tapo T100
Tapo T100は、最大7mの範囲で動体を検知してくれるスマートモーションセンサーです。前述した「Tapo H100」と連携して、動体検知をトリガーにTapoスマートデバイスを自動で操作します。
Tapo T100の特徴や活用方法
Tapo T100の特徴
出典:TP-Link
スマートライト化
最も便利な使い方は、人が通った時に自動でライトが点灯するスマートライト化。Tapoのスマートランプと一緒に使うことで、動体検知をトリガーに自動でライトを点灯できます。
警告アラーム
動体検知をトリガーにして、チャイム機能付きスマートハブ(Tapo H100)から警告アラームを鳴らせます。外出中や夜間の防犯対策として力を発揮してくれそうですね。
検知する範囲を調整
センサーが動体を検知する範囲は、3m・5m・7mから選択できます。必要な範囲のみをモニタリングすることで、不適切な検知を防ぐことが可能です。
Tapo T100の仕様や外観
Tapo T100を開封して実機をみていきましょう。
土台が自由に動いて、センサーの角度を調整できます。
センサーの配置方法は、「そのまま平面に置く」、「付属の3M両面テープで貼り付ける」、「内蔵マグネットでくっつける」の3通り。
スマート接触センサー:Tapo T110
Tapo T110は、窓やドアの開閉をリアルタイムでモニタリングできるスマート接触センサーです。本体の他に取り付け用の3M両面テープが付属しています。
Tapo T110の特徴や活用方法
外出先から窓の閉め忘れを確認
急いで出かけたあとほど、玄関の鍵や窓の閉め忘れが心配になりますよね。Tapo T110があれば、アプリからリアルタイムで窓の状態を確認できます。
ドアを開けた瞬間に電気をつける
Tapoのスマートランプと連動させることで、ドアを開けた瞬間にライトをつけるように設定できます。
ペットの行動や貴重品の管理に
ペットしか通らない扉に貼り付ければ、ペットの行動を常に把握することができます。金庫に貼り付けて、貴重品の防犯対策をすることも良いアイデアでしょう。
外出中や夜間の防犯
外出時や夜間の睡眠時に玄関や窓が開いたのを検知して、チャイム機能付きスマートハブからアラームを鳴らします。
Tapo T110の仕様や外観
こちらがTapo T110の実機。
ふたつに分離した大きい方を壁に、小さいほうを窓やドアに貼り付けます。両者の感覚が15mm以下になると、窓が閉じている状態として認識します。
15mm以上離れてしまうところには取り付けられません。
スマート温湿度計:Tapo T310、スマートデジタル温湿度計:Tapo T315
スマート温湿度計は、ディスプレイなしの「Tapo T310」とディスレイありの「Tapo T315」がラインナップされています。
スマート温湿度計「Tapo T310」は、ディスプレイがない分コンパクトなので、カメラの防湿庫や楽器ケース、ワインセラーやペットの飼育ケースなどに入れても活躍します。
一方スマートデジタル温湿度計「Tapo T315」は、ディスプレイで温湿度を確認できるので、リビングなどの見やすいところがオススメ。
両者の違いは、”ディスプレイで視覚的に温度や湿度を確認できるか” だけ。Tapo 310でできることで、Tapo T315ができないことはありません。
Tapo T310/T315の特徴や活用方法
出典:TP-Link
スマホから温度や湿度をチェック
専用アプリを使えば、どこからでも部屋の温湿度をリアルタイムで確認できます。
出典:TP-Link
赤ちゃんやペットがいる家庭で活躍しますね!
高精度センサーを搭載
Tapoのスマート(デジタル)温湿度計には、スイス製の高精度なセンサーが搭載されています。
出典:TP-Link
2秒ごとに温度や湿度のデータを取得/更新しているので、リアルタイムの環境を正確に把握できます。
湿度や温度をトリガーに家電を操作
あらかじめ設定した温度や湿度になったら、スマートプラグ経由で加湿器や扇風機を自動で稼働させることが可能。
部屋の環境を自動で維持できるので、ユーザーの負担が減ってオススメです。
Tapo T310の仕様や外観
Tapo T310は、本体サイズがコンパクトなのが特徴的。
設置方法は、付属の3M両面テープや3Mマグネットテープを使うのが現実的。コンパクトな本体なので、そのまま設置しても場所をとらないのがメリットでしょう。両面テープで壁面に貼り付けても、フタが外れるので電池交換も問題なし。
付属されているストラップを使えば、クローゼットなどに吊るして設置できます。
Tapo T315の仕様や外観
非常に見やすいディスプレイで、ライバル製品よりも視認性は高いと思います。
本体にマグネットが内蔵されているので、デスク脚や冷蔵庫にくっつきます。両面テープも付属しているので、マグネットがくっつかないところにも設置できます。
ディスプレイ上端には、ハブとの接続状態や電池残量、快適度(顔文字)が表示されています。
スマートボタン&調光器:Tapo S200B、Tapo S200D
Tapoのスマートボタンには、「Tapo S200B」と「Tapo S200D」の2モデルがラインナップしています。両者の違いは、壁付け用のプレートがついているかどうかで、性能は全く同じです。
Tapo S200B/S200Dの特徴や活用方法
ボタンを押すだけ
スマートボタンを押すだけで、Tapoデバイスを操作できるのが大きな魅力。複数のスマートボタンがあれば、どこからでも操作できるようになって、広いリビングなどで重宝するでしょう。
アプリを開かず直感的に操作できるのが良いね!
ボタンアクションで色んな操作が可能
ただボタンを押すだけに留まらないのが本製品のすごいところ。3つのボタンアクション(1回タップ・2回タップ・回転)に対して操作を割り当てられる汎用性の高さが特徴です。
他社製のスマートボタンと比べても、1歩先を言ってる感じがありますね。
チャイム機能付きスマートハブと一緒にドアホンを構築
前述したスマートハブ「Tapo H100」と連携して、簡易的なドアホンを構築できます。
離れた部屋に合図をおくるときに便利そう!
緊急事態のSOSに
寝室や脱衣所、普段いる場所に取り付ければ、緊急事態にすぐに助けを呼ぶことができます。
身体に急激な異変を生じたときは、応急処置が命運を分けることも少なくありません。使うことが来ないことに越したことはないけど、「もしものとき」のために緊急ボタンとして採用しても良いでしょう。
Tapo S200Bの仕様や外観
まずは壁付けプレートなしの「Tapo S200B」からみていきます。プレートがなくても、付属のネジや3M両面テープで壁に固定できます。
円錐型のボタンで、単に押すだけでなく、回してスマートランプの光量を調整することも可能。
Tapo S200Dの仕様や外観
続いて壁付け用のプレートが付属する「Tapo S200D」をみていきます。ラベルステッカーが付属していて、スマートボタンが連携しているデバイスが分かりやすいです。
仕様は「Tapo S200B」と同じで、違うのはプレートにくっつけられる点のみ。
本体とプレートはマグネットでくっつく仕様で、簡単に取り外せます。
Tapo スマートホームの良いところ
そこでTP-Linkのスマートホームブランド「Tapo」について、筆者が感じたことを赤裸々に語っていきます。僕が実際に使ってみて感じたTapoデバイスのメリットがこちら。
- Tapoアプリが使いやすい
- デバイスのセットアップが簡単
- 各デバイスが優秀
上記のメリットについて、ひとつずつ紹介していきますね。
Tapoアプリが使いやすい
専用アプリでは、Tapoデバイスを厳選して表示、もしくは種類別や部屋別に表示できます。
目当てのアイテムが見つかりやすいデザインで、スマートホームのアプリとして使い勝手が良いですね。
デバイスのセットアップが簡単
Tapo製品の登録は、アプリの指示にしたがって進めば1〜2分で完了します。まずはホーム右上にある+
から追加したいでバイスと接続するハブを選択します。
次にアプリの指示に沿って、デバイスの電源をいれれば自動でペアリングが完了します。デバイスの名前とアイコンを決めて、ペアリング完了です。
各デバイスが優秀
本稿で紹介した7製品は、それぞれがちょっとずつ優秀だと感じました。
チャイム機能付きスマートハブは、コンセントに直挿しできるのが嬉しい。スマートモーションセンサーは、検知範囲を決めれるところが優秀だし、温湿度計とボタンは2種類がラインナップしているのが魅力的。
凄く優秀って訳じゃないけど、痒いところに手が届く優秀さがあるな
Tapo スマートホームの残念なところ
TapoのIoTデバイスをしばらく使ってきて「残念だな〜」と感じたことも多いので、包み隠さず紹介していきますね。
- ラインナップが少ない
- やれることが少ない、汎用性が低い
- 製品名が分かりにくい
それでは上記のデメリットについて、紹介していきますね。
ラインナップが少ない
7つのラインナップが追加されて話題を集めました。しかし7製品をしっかりみてみると「温湿度計×2、スマートボタン×2、センサー系×2、スマートハブ×1」という内訳。
スマートホームに超重要なスマートリモコンやスマートロック、指型ロボットがないんですよね。
正直、SwitchBotとはまだ対抗できないかな。
やれることが少ない、汎用性が低い
TapoのIoTデバイスは、ラインナップが少ないがゆえ、出来ることが限定されます。
我が家のSwitchBotを中心としたスマートホーム環境では、玄関の鍵を指紋で解錠、電気・エアコン・テレビなどはすべてスマホや音声で操作しています。しかしTapoのスマートホームでは、我が家で実現していたほとんどのことができなくなってしまうんですよね。
センサーで検知し、自動でTapoデバイスを起動
スマホでTapoデバイスを操作
ここで重要なのは、あくまでTapoデバイスしか動かせないことと、肝心のTapoデバイスのラインナップが乏しいことです。
既存製品と合わせたすべてのラインナップを購入したとしても、Tapoデバイスだけで快適なスマートホームを構築することは現状厳しいでしょう。
今ある家電を動かせないのは致命的な欠点!
製品名が分かりにくい
Tapoの製品名は、ブランド名のTapoにアルファベットと数字で付けて「Tapo ○△△△」と表現されます。これがめちゃくちゃ分かりにくい。
出典:TP-Link
この製品名を言われてもパッとくる人はいないでしょうね。これからスマートホームに力を入れようとしてるのに、この製品名の決め方は疑問が残ります。
まとめ:課題ありのTapo、今後SwitchBotと競合してくれることに期待!
TapoのIoTデバイス7つをレビューしてきました。最後にメリットとデメリットを振り返っておきます。
- 専用アプリが使いやすい
- デバイスのセットアップが簡単
- 各デバイスが優秀
現状のままだと、大手スマートホームブランドの「SwitchBot」から乗り換えるには値しません。スマートホームはSwitchBotの一人勝ち状態なので、将来的にはTapoが良きライバルになってくれることを願いましょう。
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